成果と人間関係の両立
キャリアコンサルティングにおける主要な目標に再就職先決定と職場定着がある。再就職先決定より職場定着は難易度が高く、低く見積もっても3倍の難しさがあると認識している。職場定着には成果と人間関係の両立が必要であり、職場定着を難しくしている理由の1つにメンバーシップ型雇用がある。
日本企業は、一部の例外を除いてメンバーシップ型雇用であるが、ジョブ型雇用と比較すると担当業務が曖昧という特徴がある。担当業務が曖昧であることから、職場の構成員との調整や協調が必要になる。調整や協調の過程で前任者との比較、類似の業務を担当している別の人材との比較という視点が加味される。職場の構成員には、責任者としての管理職、年上の人材、同年代の人材、年下の人材がいる。こうした構成員が持つ様々な視点に基づき調整や協調を進めていくことが求められる。調整や協調は人間関係を築くことだけではなく成果を生み出すことにも影響する。ジョブ型雇用は成果によって職場定着が実現できるに対して、メンバーシップ型雇用は成果と人間関係の両立が必要となる。
現在、進行中の職場定着を目的にしたキャリアコンサルティングでは成果と人間関係の両立を目指して取り組んでいく予定である。