企業を支援する方式には経営コンサルティングと研修がある。どちらの方式も顧客企業の当事者意識が重要である。顧客企業の当事者意識の持ち方が支援効果の大きさを決めるからである。当事者意識とは、貴重な時間や費用を使って経営コンサルティングや研修に取り組む以上、組織上の立場に関わらず、自分自身にとって役立つようにしたいという前向きな姿勢である。
顧客企業の当事者意識の持ち方は様々である。支援を依頼してくれた経営者だけが当事者意識を持っている場合、研修窓口には当事者意識があり積極的であるが研修参加者が消極的な場合、支援が継続しているうちに経営者や担当者の交代によって当事者意識が弱まる場合などがある。
１つの事例に定期的に継続している研修における当事者意識のもち方がある。この顧客企業では、経営者と窓口担当の交代によって当事者意識が低下している。最初に研修を依頼してくれた経営者は当事者意識をしっかりと持っていたが、経営者と窓口担当の交代により、研修は継続しているが当事者意識が顕著に低下している。一度、低下した当事者意識を回復させるには一定以上の時間が必要である。研修実施時期が決まっている以上、当日に向けて準備に最善を尽くしたい。